「ダイナブラザーズ」とは?
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 最初は、「ダイナ」のゲームシステムを細かく説明しようかと思ってたのですが、かなり壮絶な量を説明しなきゃならないので ・・・説明の方は「ダイナブラザーズの公式サイト」にお任せして(謝)、ここでは開発中のエピソードを織り交ぜながら「ざっ」と紹介しましょうか★

ダイナブラザーズ ▼

Dyna1 Title

 1992年にMEGA-DRIVE専用ゲームソフトとしてリリースされたのが、この「ダイナブラザーズ」。当時の評価として「トップビューの恐竜版ポピュラス」と良く言われました(今でも言われてますが・笑)。

 「恐竜」と聞いて、「あんぎゃ〜」と叫び声を上げながら突進してくる「ジュラシックパーク」ばりの光景を頭に浮かべると、かなりの勘違いなイメージが出来上がります(笑)。ま、説明するよりも、キャラを見てもらった方が早いですね★

Stego

 これが「すてご」。草食獣なだけあって、かなりのほほん・・・としてくれてます。とにかく美味しそうに草を食べるのですが、それに見とれていると(フィールドによっては)あっと言う間に「ハゲの大地」が出来上がってしまいます(笑)

Torikera

 これは「とりけら」。これも草食獣なのですが、見て判るとおり「とげ」の分だけ、「すてご」よりは強い(笑)。
ただ「すてご」よりも繁殖するのが遅いので、開発中至難の技の1つと言われたのが「こいつを所持可能最大数(100匹)まで繁殖させる」だったような覚えがあります。

P-chan

 こいつが「ぴーちゃん」。孵化前の卵を食っちゃう困った奴で(笑)、敵のを食べてる間は「どんどんやれ〜」な感じなのですが・・・食うに困って時々味方のに手を出すという・・・。 確かちゃんとした恐竜がモデルのはずなのですが、開発中「ぴーちゃん」「ぴーすけ」「やつ(笑)」とか呼ばれてたので、忘れちゃいました(汗)

Aro

 彼が「あろ」。肉食獣で防御力が高くて・目が良くて・足が速い・・・といいコト尽くめに聞こえますが、重大な欠点が・・・「頭が悪い(笑)」。横で草食獣がバクバク食われてたり・卵が丸呑みされてても、「良くすっとぼけ」たりするお茶目さん。 何度テストプレー中に絶叫したか・・・「どこに目ぇ付いとんじゃ〜!!(泣笑)」

Tirano

 「てぃらの」様。肉食獣でとにかく強い。こいつを敵陣にいつ送り込むか・・・が勝敗の一端を担ってます★ 「ダイナ1」では隠しフィーチャーで、一定条件でこいつが強力化します。 強力になった後を「キングてぃらの(略してキンてら)」と呼ぶのですが・・・最初見たときはあまりのサイケな色に「バグか?」と思ったスタッフ続出(笑)

 この5種類のユニットを使って、敵をマップ上から駆逐していきます。敵も使えるユニットの性能自体は同じ(見た目は全然違うけどね)。
 当然最初はフィールドに何もいないのと自分(The EGG)ができる事は原則「卵を産む」ことと「天災を起こす」ことだけなので・・・ポコすか卵を産んで繁殖していくのを待つのですが・・・ (開発中のテストプレイで)敵を倒すことよりも、ついつい「自分好みの箱庭」をつくることに熱中してしまい、負けたこと数知れず。・・・仕舞に、向こうからディレクタ様に「早くしろ〜」と怒られた事数知れず(笑)。

 この頃は「ダイナ」の開発チームだけ、東京都新宿にありまして・・・何と!開発室の中に音楽(私)専用の「簡易防音室」まであった(ドドーン)!!
 結局、ダイナの開発終了寸前に他のチームと合流(当時、東京都多摩)したのですが・・・防音室に関しては、「中で愛瀬が気持ちよさ気な寝姿を披露」しかしてなかった経緯から(大汗)、 再設置はされなくて・・・会社のど真ん中のオープンスペースでシンセを弾くことになりました(笑)


ダイナブラザーズ2 ▼

Dyna2 Title

 「ダイナ」の翌年1993年にやっぱりMEGA-DRIVE専用ゲームソフトとしてリリースされたのが、この「ダイナブラザーズ2」。 広告のアオリ文句では、「前作の9.4倍面白い」的なのがついてましたが・・・実際の苦労はそんなレベルじゃなかった覚えが(音楽だけで9.4倍だから・・・ってマニュアル見てないと判らないネタだね・笑)

 飛行ユニット「ぷてら」の追加、面数やグラフィック・音楽などの倍増(以上)、ストーリー量の飛躍的向上、対戦モードの追加・・・それらの結果、16MのROMに最後の最後まで入りきらずにプログラマの皆様が苦労していた姿が、今だに目に浮かびます(笑)

Putera

 問題の「ぷてら」。唯一地形を無視して飛べる肉食獣。スタミナがないので水面に落ちると、そのまま溺れるのですが・・・狙って溺れさせるのが難しくてねぇ・・・(笑)。 また飛べる分だけ、(飛行中は)一部の天災の効果から逃れられる・・・というメリットも★

 「ダイナ2」からは、全ユニット「強力化」するファクタが入りました。 あと目立って導入された新システムに「消費税」システムがあって(大爆笑)、何かする毎に消費・補充するエネルギーに消費税がつく・・・という時事ネタがありました★(税率が3%なのが時代を感じさせます・笑)
 「ダイナ」が終了してから、チーム編成はほとんどそのままで「2」の開発に突入したせいか、開発自体はスムーズでしたが・・・「前作でやり残したことを」と色々詰め込んでいった結果、かなり「作り直し」が多かったのも事実。 手前味噌ですが、「ダイナ2」には全部で34曲搭載されてますが、実際に作った曲数は120曲・・・ざっと曲長総計、CD約4枚分。「ダイナ2」だけやってた方や、アレンジが異なりすぎて気が付かなかった方も多かったようですが、 実は「ダイナ1」の曲もアレンジを変えて、数曲入っていたりします。
 各セクション、血のにじむような苦労をしましたが・・・当時届いたユーザー葉書のコメントや、今でも彼ら(恐竜さん達)を愛でてくれる方々がいて下さるのを見かけるにつけ・・・「あぁ、苦労の甲斐があった」と思うです★ (社交辞令とかがなくて・・・ユーザー葉書を読んで・嬉しくて、大の大人が開発室で本当に泣いたんだぞ・笑)

 その後、「ダイナ」シリーズは「SEGA Channel(MEGA-DriveのゲームをCATVで配信するサービス)」で「ダイナブラザーズ2-SP(マイナーチェンジ版)」というバージョンを最後に、以来名前を目にすることが殆ど無くなってしまったのですが (実はSEGA-Saturnでリメイクして欲しいとの声も、相当あったそうですが)・・・最近DreamCastでの「ドリームライブラリ」で配信しているので、 私も「1」のリリースから10年近くたった今、「ユーザーとして楽しんでみよう」と思っております★